からだにやさしい暖かさ。はんてんのある暮らし
創業111年の九州、福岡の宮田織物さんは、50年以上手作業での半纏づくりをされている老舗。わた入れ半纏は、さりげない日常の幸せを演出し、心もからだも温めてくれる、日本の伝統的な防寒着。地方により、はんてん・半纏・袢天・丹前・どてら・褞袍・どんぶく・どんぶぐ・ばんこ等、呼び名が異なります。
布地のデザイン、織り、商品デザイン、裁断、縫製を行ない、熟練したスタッフが手作業でわたを入れ、手でとじる手間のかかる仕立て。工程全てを日本国内で生産した純国産のわた入れ半纏は、手間がかかる商品だからこそ、大切な方に着ていただきたい逸品です。
「わた入れはんてん」ができるまで
宮田織物さんの「わた入れはんてん」は、とても手間のかかる生産工程。
昔ながらの「わた入れはんてん」のあのふんわりと柔らかく、包まれる着心地に仕立てる為に、様々な技が光ります。
布地・デザインの企画
宮田織物さんの布地は、専任のテキスタイルデザイナーを中心に、糸選びから行ない、何度も試し織りを重ね、デザイン性・色味だけでなく、風合い・肌ざわりなどまでチェックし、合格した布地のみを使用します。出来上がった数多くの布地の中から、さらにそのシーズンに相応しいものを選び、製品のデザインを行ないます。
今年もステテコドットコムではオリジナル半纏を作っていただきました。表生地はステテコでもお馴染みのクレープ生地を使用することで、着心地が軽くて柔らかいオリジナル半纏を作っていただいています。
裁断から縫製工程
裁断の前に、まず布地を縮絨(しゅくじゅう)機にかけます。縮絨という作業は、蒸気を当て、布地を前もって縮ませることで、縮みやすい木綿素材ならではの欠点を補う大切な前工程です。裁断は、CAMと呼ばれる自動裁断機で正確に行います。
裁断された布地を、組み合わせる縫製作業は、スタッフが一枚一枚丁寧に縫いあわせていきます。福岡県筑後市にある宮田織物さんの工場では、自動ミシン・特殊ミシンなど、あわせて百数十台のミシンが動いています。
わた入れ工程
ここからが、「わた入れはんてん」の特徴でもある、はんてんに「わた」を入れる工程です。熟練のスタッフが2人1組になり、一枚一枚丁寧に「わた」を入れていきます。また、わた入れ商品の裾部分には、「足しわた」をするなどの暖かさへのこだわりがあります。
※足しわたとは、一枚のわたの上に、更にわたを重ねてお入れする作業のことです。より温かくなるようにと、背中や裾に綿を足して厚くしているのも人の手で作業をしているからこそできる技。
わた
中わたは、はんてんの重要な要素。宮田織物さんでは、布地の織りやデザインなどを考慮し、3種類の中わたを使い分けています。見えない部分まで、手を抜きません。
宮田織物さんのはんてんの中わたは、真剣にみんなの眠りを考え、眠りが少しでも良いものに出来れば、健やかで豊かな生活が送れるとの想いを心に、あったかい布団をつくり続けている新川桂株式会社さんで作って頂いています。
オリジナルブレンドのわたも全て原料から、お互い打ち合わせを繰り返し作り上げた信頼のできる良いわたです。また、木綿わたは、繊維に空洞があるので保温性があり、さらに静電気も起きにくい特徴があります。
とじ工程
熟練したスタッフが、ひと針ひと針こころを込めてわたの加減を見ながらとじていきます。全ての縫い目の幅を同じにせず、その縫い目の箇所により、広くとじる・狭くとじるなどといった職人の技が、やわらかで心地よい着心地へと繋がります。
仕上げ・検品・検針工程
最後に、一枚一枚を人の手と目で細かく確認していきます。検針器も通しますので、安心してご着用いただけます。
いかがでしたでしょうか。一枚一枚に心と技術が注ぎ込まれた衣類に袖を通してみるのもいいかな。と思っていただけると嬉しいです。